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ファイバーレーザー溶接機の選び方と導入のポイント

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ファイバーレーザー ダブルワイヤー

はじめに

ファイバーレーザー溶接機は、高精度で高速な溶接が可能なため、多くの製造業者にとって重要なツールとなっています。しかし、適切な溶接機を選び、効果的に導入するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。本記事では、ファイバーレーザー溶接機の選び方と導入のポイントについて詳しく解説します。
ファイバーレーザー溶接機の原理と仕組みやファイバーレーザー溶接機のメリットについてはこちらの記事がオススメです。

目次

  1. ファイバーレーザー溶接機の特徴
    ・高出力と効率性
    ・高精度と品質
  2. ファイバーレーザー溶接機の選び方
    ・用途に応じた選定
    ・必要な出力の決定
    ・メンテナンスとサポート
    ・発振器
  3. 導入のポイント
    ・トレーニングと操作性
    ・コスト管理
    ・安全対策
  4. まとめ


1.ファイバーレーザー溶接機の特徴

 

高出力と効率性

ファイバーレーザー溶接機は、高出力のレーザー光を使用するため、短時間で高品質な溶接が可能です。効率的なエネルギー変換により、消費電力を抑えつつ高出力を実現します。これは製造コストの削減に直結し、特に大量生産において大きなメリットとなります。

高出力のレーザー光は、溶接プロセスを迅速に進めることができます。これにより、生産ラインの稼働率が向上し、全体の生産性が上がります。例えば、自動車産業では、ボディの溶接にファイバーレーザーを使用することで、溶接時間を大幅に短縮することができます。

 

高精度と品質

レーザー光の特性により、非常に細かい部分まで溶接が可能です。そのため、精密な部品やデリケートな素材の加工にも適しています。加えて、溶接部の品質も非常に高く、強度や耐久性に優れています。これにより、製品の信頼性が向上し、市場での競争力を高めることができます。

高精度な溶接が求められる分野では、ファイバーレーザーの真価が発揮されます。例えば、医療機器の製造では、微細な部品の溶接に高精度が必要です。ファイバーレーザーは、微細なスポットサイズで精密な溶接を行うことができるため、製品の品質と信頼性を確保することができます。

2.ファイバーレーザー溶接機の選び方

 

用途に応じた選定

溶接機の出力は、加工する材料や溶接の深さに大きく影響します。例えば、厚い金属板を溶接する場合、高出力のレーザーが必要です。一方、薄い金属板や繊細な部品の溶接には低出力で十分です。事前に必要な出力を計算し、それに合った溶接機を選定することが重要です。弊社のSL-1500では厚さ3mm〜4mm(裏まで溶け込む)SL-2000では厚さ約6mmまで対応しています。この厚さに関してもメーカーによっては様々です。

出力の決定には、加工する材料の種類や厚さ、必要な溶接速度を考慮する必要があります。また、溶接部の品質を確保するために、既存の条件表などを元に適切なパラメータ設定が求められます。これにより、安定した品質の溶接を実現し、製品の信頼性を高めることができます。ただワイヤーフィラーを使用しない場合、溶接スピードは作業者に一任されます。各作業者の溶接スピードに合わせて出力調整が随時必要になってきます。

また、対応するガスの種類も確認が必要です。アルゴンガスと窒素ガスのどちらかを使用するメーカーが多いですが、溶接の品質にさほど違いはありませんし、窒素ガスの方が安価ですのでオススメです。SL-1500は窒素ガスでも溶接可能です。

 

メンテナンスとサポート

長期的に使用するためには、メンテナンスが重要です。信頼性の高いメーカーから購入し、サポート体制が整っていることを確認しましょう。万が一故障になった場合は国内対応が必須ですが、中には中国まで送り返さないといけないようなメーカーもありますので注意しましょう。
また、チラーの水交換・補充やエアーで埃を飛ばすなどの定期的なメンテナンスや保護レンズやフォーカスレンズなどの部品交換が必要になるため、サポートが充実していることは重要です。

メンテナンスの頻度や内容は、溶接機の使用環境や稼働時間によって異なります。定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、溶接機の寿命を延ばし、予期せぬトラブルを防ぐことができます。また、メーカーから提供されるトレーニングプログラムを活用し、メンテナンス技術を習得することも重要です。

 

発振器

一番重要な点です。ファイバーレーザー溶接機の心臓部である発振器についてはお客様が確認しない限り把握できていないことが多く、メーカーによっては「発振器を見せない」なんてこともあります。発振器がどこのメーカー製でどんな特徴があるかなんて言えるところが少ないのが現状ですが...
発振器は大変重要な部分ですので、必ず確認しましょう。

確認する際は、その発振器の「出力安定性」「ビーム品質」「消費電力」を比較してください。発振器メーカーだけで300社あると言われておりますしピンキリなものですので、加工する材料や溶接頻度に合わせて適切な発振器を搭載した溶接機を購入しましょう。


3. 導入のポイント

 

トレーニングと操作性

新しい溶接機を導入する際には、操作方法のトレーニングが必要です。メーカーが提供するトレーニングプログラムを活用し、従業員が適切に操作できるようにしましょう。特に、加工する材料によって変更が必要な溶接条件調整や、隅肉などの用途に応じて変更するノズルの入れ替え方法、溶接以外にクリーニングや切断モードに切り替える際の必要なプロセスなど、細かな部分の習得も必要です。
トレーニングには、基礎的な操作方法から高度な応用技術まで、幅広い内容が含まれます。従業員が自信を持って操作できるようになるためには、実践的なトレーニングが重要です。さらに、定期的な再トレーニングを実施し、最新の技術や安全対策をアップデートすることも推奨されます。
ただ全てのトレーニングは決して難解なものでもなく一度操作したら覚えられるものですので、どんどん色々なパターンでチャレンジをして慣れていってください。分からなくなったら都度メーカーに問い合わせて確認することが一番の上達の近道です。

 

コスト管理

導入には初期費用がかかりますが、長期的なコスト削減効果も考慮しましょう。エネルギー効率やメンテナンスコストなどを総合的に評価し、投資の価値を判断します。また、溶接機の導入に伴う生産性向上によって得られる利益も見逃せません。費用対効果を明確にすることで、経営陣の理解と支持を得やすくなります。

コスト管理には、初期投資だけでなく、運用コストやメンテナンスコストも含めた総合的な視点が必要です。消費電力の少ない機種やエネルギー効率の高いモデルを選ぶことで、運用コストを削減できます。安価な窒素ガスを使用して溶接できるかもポイントになります。
また、適切なメンテナンスプランを導入することで、予期せぬ故障や生産ラインの停止を防ぎ、長期的なコスト削減を実現します。

 

安全対策

高出力のレーザーを使用するため、安全対策は欠かせません。適切な防護具の使用や作業環境の整備、安全規則の遵守など、安全対策を徹底しましょう。特に、レーザー光線は目に見えないため、無意識のうちに危険にさらされることがあります。従業員への安全教育と、定期的な安全チェックを欠かさず行いましょう。基本的には、保護メガネ革手袋(軍手ですと軍手が燃えます。)、革エプロンは必須となっています。
特にアルミなどの反射しやすい材料を溶接する場合、対面にレーザー光が反射します。対面上に人や燃えやすいものがないかを確認しましょう。対面に仕切りやパーテーションを設置することを推奨します。

また、パーテーションで作業場を囲んでしまうのが最適な安全対策です。インターロックやパトライトを併用設置することで、間違えて出てしまったレーザー光が人に照射されることを防ぎます。ここもメーカーに安全対策がしっかり対応できるかどうか確認しておきたいポイントです。

安全対策には、物理的な防護だけでなく、作業プロセス全体の見直しも含まれます。例えば、レーザーの照射エリアを明確にし、他の作業員が近づかないようにすることや、緊急停止ボタンの設置など、万が一の事態に備えた対策が必要です。定期的な安全研修を実施し、従業員全員が安全意識を持つことが重要です。

まとめ:

ファイバーレーザー溶接機は、その高精度と効率性から、現代の製造業において重要な役割を果たしています。適切な選定と導入によって、製品の品質向上や生産効率の向上が期待できます。本記事で紹介したポイントを参考に、最適なファイバーレーザー溶接機を導入し、貴社の競争力を高めましょう。
興味を持たれた方は、ぜひ当社の製品カタログをご覧いただき、詳しい情報をお求めください。また、専門スタッフによる無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

今すぐお問い合わせください!ファイバーレーザー溶接機の詳細情報や導入についてのご相談をお待ちしております。

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ファイバーレーザー溶接機に関する詳しい情報や購入についてのご相談は、当社の専門チームまでお気軽にお問い合わせください。

日東産業株式会社
03-3606-2176
support@sirius-fiber-laser-welding.com

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